確定申告の時期になると、会計事務所勤務の私にも個人事業主の方からよく聞かれる質問があります。
「スマホで確定申告すると青色65万円控除は使えるのでしょうか?」
結論から言うと、スマホで申告しても青色65万円控除は利用できます。
ポイントは「スマホかどうか」ではなく、e-Taxによる電子申告をしているかどうかです。
今回は、青色65万円控除の条件とスマホ申告のポイントについてまとめます。
青色65万円控除の条件
青色申告で最大65万円の控除を受けるには、主に次の条件があります。
・複式簿記で帳簿をつけている
・損益計算書と貸借対照表を作成している
・e-Taxで電子申告をしている
または
・電子帳簿保存を行っている
この中で、多くの個人事業主にとって一番取り組みやすいのが
e-Taxによる電子申告
です。
紙で提出してしまうと、条件を満たしていても控除額は
55万円控除
になります。
スマホでの確定申告(e-Tax)
現在はスマートフォンからでも確定申告ができます。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、スマホから申告書を作成し、そのままe-Tax送信が可能です。
国税庁サイト
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm
スマホ申告の基本的な流れは次のとおりです。
① 国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
② マイナンバーカードでログイン
③ 申告書を作成
④ e-Taxで送信
事前に次のものを準備しておくとスムーズです。
・マイナンバーカード
・カード読み取り対応スマートフォン
・マイナポータルアプリ
最近はスマホだけで申告を完結させる人も増えてきています。
実際にあったケース
会計事務所で仕事をしていると、青色65万円控除を受けられるはずなのに、55万円控除のまま申告しているケースを見かけることがあります。
以前担当したお客様も、弥生会計(インストール型ソフト)で帳簿を作成していましたが、申告は紙で提出していたため、控除額は55万円でした。
そこで、今年はスマホからe-Taxで電子申告を行ったところ、青色65万円控除が適用され、結果として還付額が増えることになりました。
帳簿の内容は同じでも、電子申告かどうかで控除額が変わるのは意外と見落とされがちなポイントです。
青色65万円控除と55万円控除の違い
青色申告の控除額は次のように分かれています。
| 控除額 | 条件 |
|---|---|
| 65万円 | 複式簿記+電子申告(または電子帳簿保存) |
| 55万円 | 複式簿記で帳簿作成 |
| 10万円 | 簡易簿記 |
帳簿の作成方法は同じでも、電子申告をしているかどうかで10万円の差が出ます。
この差は税額にも影響するため、できるだけ65万円控除を利用したいところです。
まとめ
青色申告の65万円控除は、
「スマホで申告するかどうか」ではなく
「e-Taxで電子申告しているかどうか」
がポイントです。
紙で提出している方でも、スマホやパソコンからe-Tax申告に変えるだけで、控除額が増える可能性があります。
もし青色55万円控除になっている場合は、一度電子申告の方法を確認してみるとよいでしょう。
これから青色申告にしたい人へ(期限に注意)
なお、今回の確定申告でまだ白色申告のままの方もいるかもしれません。
青色申告を利用するには、原則として 青色申告承認申請書を税務署へ提出する必要があります。
すでに事業を行っている方の場合は、
今年の確定申告の期限(3月15日)までに申請書を提出すれば、今年分の所得(令和8年分)から青色申告を適用することが可能です。
青色申告になると、次のようなメリットがあります。
-
青色申告特別控除(最大65万円)
-
赤字の繰越(3年間)
-
家族への給与を必要経費にできる(青色事業専従者給与)
帳簿付けなどの手間は少し増えますが、節税面のメリットは大きい制度です。
もしまだ青色申告の申請をしていない場合は、期限内に青色申告承認申請書を提出しておくことをおすすめします。
青色申告承認申請書は、国税庁サイトからダウンロードできます。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/08.htm