社会人が税理士試験に合格するまでのロードマップを解説。必要な勉強時間、合格までの年数、大学院ルートなどを会計事務所勤務の立場からまとめました。
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社会人になってから税理士を目指す人は、決して珍しくありません。
しかし実際に勉強を始めてみると、多くの人が最初にこう感じます。
「税理士になるには、いったい何年かかるの?」
実は今日、ママ友たちからこういう質問を受けました。なぜなら私が6年かかってやっと3科目合格した話をしたからです。「そんなに勉強しても受からないんだ…」と半ばあきれられましたが(笑)
税理士試験は、日本でも有数の長期資格試験です。
特に社会人として働きながら受験する場合、数年単位の計画が必要になります。
この記事では、社会人が税理士試験に合格するまでの現実的なロードマップをまとめました。
勉強時間、合格までの年数、大学院ルートなども含めて解説します。
なぜ私が税理士を目指したのか
私は現在、会計事務所で働きながら税理士試験の勉強(次は税法大学院入学ですが)を続けています。
社会人になってから資格を取り直す「学び直し」は簡単ではありません。
仕事をしながら勉強を続けるには、時間の確保だけでなく生活全体の設計が必要になります。
それでも税理士を目指そうと思った理由は、専門性を持って社会に貢献したい、仕事をしたいと思ったからです。
税理士という仕事は、単に税金の計算をするだけではありません。
企業や個人事業主の経営に関わり、税務や会計の専門知識を通じて社会に関わる仕事です。
中小企業にとって税理士は非常に身近な専門家です。
その仕事の面白さと社会的な役割に魅力を感じ、税理士試験に挑戦することにしました。
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税理士試験とはどんな試験か
税理士試験は国家試験で、5科目合格制の資格試験です。
特徴は、一度に5科目合格する必要はなく、
1科目ずつ合格を積み重ねていく方式であることです。
税理士になるためには次の条件があります。
・試験科目5科目合格
・実務経験2年以上
試験科目は次のように構成されています。
必須科目
・簿記論
・財務諸表論
税法科目
・法人税
・所得税
この2つのうちどちらか1つは必須です。
その他の税法科目
・消費税
・酒税
・相続税
・国税徴収法
・住民税
・事業税
この中から科目を選び、合計5科目に合格すれば税理士試験合格となります。
合格率は科目ごとに異なりますが、一般的には
10〜20%程度
と言われています。
また近年は制度改正により、受験資格が緩和され以前より受験しやすくなりました。
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税理士試験のロードマップ
社会人受験の流れをシンプルに図にすると次のようになります。
(簿記2級or1級など)
↓
会計科目
簿記論・財務諸表論
↓
税法科目
法人税 or 所得税
↓
その他税法
消費税・相続税・国税徴収法など
↓
5科目合格
↓
実務経験2年以上(これは受験生時代に行う人が多く私も実際そうです)
↓
税理士登録
税理士試験は短期決戦の試験ではなく、
長期間かけて合格を積み重ねていく試験です。
社会人が合格するまでの年数
税理士試験は短期間で合格するタイプの試験ではありません。
社会人受験の場合、合格までの年数はおおよそ次のようになります。
| パターン | 合格までの年数 |
|---|---|
| 非常に早いケース | 2,3年 |
| 比較的早いケース | 5年 |
| 一般的 | 7〜8年 |
| 長期受験 | 10年以上 |
もちろん個人差はありますが、社会人受験では数年単位の長期戦になることが多いです。
そのため税理士試験はよく
「マラソン型の資格試験」
とも言われます。
税理士試験の勉強時間
税理士試験が難関資格と言われる理由の一つは、必要な勉強時間の多さです。
一般的な勉強時間、主な税法科目としては次の通りです。
| 科目 | 勉強時間 |
|---|---|
| 簿記論 | 700~800時間 |
| 財務諸表論 | 600〜700時間(簿記論と内容はかぶるためもう少し短い) |
| 法人税 | 1000時間以上 |
| 消費税 | 700〜800時間 |
| 国税徴収法 | 700時間 |
特に法人税は税理士試験の中でも最難関科目の一つで、
1000時間以上の勉強が必要と言われることもあります。
私自身は簿記2級合格後から勉強を始め、会計科目の合格までに約2年半かかりました。
社会人受験では、この勉強時間をどう確保するかが大きな課題になります。
仕事・家事・育児などの生活の中で勉強時間を作るためには、
時間の使い方や生活設計を見直す必要があります。
大学院ルート(税法免除)
税理士試験にはもう一つのルートがあります。
それが
税法免除大学院ルート
です。
税法系の大学院(修士課程)に進学し修士論文を提出することで
税法2科目が免除
される制度です。
この制度を利用すると試験構成は次のようになります。
・会計科目2科目
・税法科目1科目
つまり
3科目合格で税理士登録要件を満たすということ
があります。
社会人受験者の中には、この大学院ルートを選ぶ人も多くいます。
例えば千葉商科大学大学院では、税法分野の研究を行い修士論文を提出することで税法2科目の免除を受けることができます。
また同大学にはマルチディグリー制度という仕組みがあり、追加の研究を行うことで会計分野の研究にも取り組むことができます。
実際に私の同僚の中にも、この制度を活用して研究を行い
・会計科目1科目
・税法科目2科目
の免除を受けた人がいます。
このような制度を活用すると
・簿記論又は財務諸表論
・税法科目1科目
の合格で税理士登録要件を満たすことも可能になります。
大学院ルートは、社会人にとって非常に現実的な資格取得方法の一つです。
税理士試験は能力より「継続」
税理士試験を受験して強く感じるのは、この試験は
能力の試験というより継続の試験
だということです。
もちろん試験の内容は簡単ではありません。
しかし長期間勉強を続けることができるかどうかが結果を大きく左右します。
毎年少しずつでも勉強を続ける人が、最終的に合格に近づいていきます。
社会人の税理士試験は長期プロジェクト
社会人が税理士試験を受けるということは、人生の複数年間をかけたプロジェクトになります。長期のため途中で休むことも可能です。
しかし専門資格を持つことは、キャリアの選択肢を大きく広げます。
私自身も税理士試験を通じて多くのことを学んでいます。
社会人として働きながら資格試験に挑戦するのは簡単ではありません。
それでも挑戦する価値のある資格だと思っています。
これから税理士試験に挑戦しようと考えている人の参考になれば幸いです。