シジュウカラの社会note

会計事務所勤務。税理士試験簿記論・財務諸表論・国税徴収法合格。税法免除大学院に進学中。元農業新聞記者。 本ブログでは、社会人として税理士資格取得を目指す過程や大学院での学び直し、会計・税務の実務に関するリアルな体験を発信しています。 仕事・育児・学業を両立しながら学ぶ中で感じたことや、これから社会人で資格取得や大学院進学を考えている方の参考になる情報を届けていきます。

学びなおし社会人が、まず掃除をする理由 ― 節約が勉強時間を生む話 ―

今日、衣替えの最終版をしました。

冬物を片付け、春夏物を整理し、本棚まわりも少し掃除。
すると、ずっと「このくらいのサイズ感が欲しいな」と思っていたトートバッグが、家の奥から出てきました。

タリーズの福袋に入っていた赤いトートバッグです。

少しくたびれてはいましたが、洗えばまだ十分使えそうでした。

私は最近、エルベシャプリエのような大きめトートバッグが欲しいなと思っていました。
仕事、大学院、勉強道具、子どもの荷物……。社会人学生になると、とにかく荷物が多い。軽くて大きいバッグがあると便利そうだな、と。

でも、整理してみると、家にすでに「ほぼ理想のサイズ」のバッグがあった。

なんだ、これでいいじゃん。

そう思った瞬間、少し面白かったのです。

もちろん、数万円の出費を防げたという意味では「節約」なのかもしれません。
でも、それ以上に大きかったのは、

「悩みが一つ減った」

という感覚でした。

バッグを探す時間。比較する時間。
買うか迷う時間。レビューを見る時間。

そういう小さな思考の負荷が消えたことで、不思議と気持ちが軽くなりました。

そして、部屋や本棚が少し整ったあと、私は自然と「論文を読もうかな」という気持ちになっていました。

ここで思ったのです。

もしかすると、

掃除すると勉強時間が増える

という感覚は、気のせいではないのかもしれない、と。

散らかった部屋は「未処理タスク」の集まり

社会人になってから強く感じるのですが、人間の集中力は有限です。

特に、税理士試験や大学院の研究のような「考える勉強」は、かなり脳のエネルギーを使います。

単純暗記だけではなく、

  • どこが論点なのか
  • なぜその制度があるのか
  • 判例はどう整理されるのか
  • 先行研究と何が違うのか

を考え続ける必要がある。

つまり、「脳の作業スペース」が必要なのです。

ところが、部屋が散らかっていると、そのスペースがじわじわ奪われます。

例えば、

  • あの書類、片付けないとな
  • この服、もう着るかな
  • 本棚がごちゃごちゃしてる
  • あれどこに置いたっけ
  • そろそろ掃除しないと

こういう小さな“気がかり”が、常に脳の片隅に残る。

一つ一つは小さい。
でも積み重なると、かなり重い。

しかも厄介なのは、自分では慣れてしまって気づきにくいことです。

税理士試験の勉強でも、「今日はなんだか集中できないな」という日があります。
でも、よく見ると、机の上が散らかっていたり、探し物が多かったりする。

実際、今日も本棚を整理したことで、

「あの資料どこだっけ」

が減りました。

すると、論文を読むまでのハードルが下がったのです。

掃除は「判断の前倒し」

片付けは、単なる家事ではないと思っています。

むしろ、

判断を前倒しする作業

です。

例えば衣替えでも、

  • これは着るのか
  • 来年も使うのか
  • 手放すのか
  • どこに収納するのか

を決める必要があります。

つまり、「未決定状態」を減らしている。

これは実は、勉強とかなり似ています。

税理士試験でも、

  • どこが重要論点か
  • どこは後回しにするか
  • どの教材を軸にするか
  • 何を捨てるか

を決めないと、勉強が進みません。

大学院の研究でも同じです。

先行研究を大量に読んでいると、最初は全部重要に見えます。
でも、そのままでは論文にならない。

だから、

  • この論点を使う
  • ここは切る
  • この判例を中心に据える
  • この議論は扱わない

という整理が必要になる。

つまり、

学ぶという行為そのものが、「情報の片付け」なのです。

だから私は、掃除や整理をすると、不思議と勉強もしやすくなるのだと思っています。

頭の中の整理と、部屋の整理は、どこかつながっている。

「足りない」と思っていたけれど、家にあった

今回のトートバッグの件も、少し象徴的でした。

私は、「新しいバッグが必要」だと思っていました。

でも実際には、家にあった。

しかも、かなり前から。

これはモノだけではなく、勉強にも似ている気がします。

例えば受験生時代、

  • 新しい参考書
  • 新しい勉強法
  • 新しいノート術

を探したくなることがありました。

でも、本当に必要だったのは、

「今ある教材を繰り返すこと」

だったりする。

大学院でも、

「もっと資料を集めないと」

と思うことがあります。

でも実際には、まず今ある論文をちゃんと読む方が大事だったりする。

つまり、人は不安になると、

「足りない」

と感じやすい。

そして、外に答えを探しに行く。

でも、掃除をして、持ち物を見直していると、

「もうすでに持っていた」

ことに気づく瞬間があります。

それはモノだけではなく、

  • 知識
  • 経験
  • 積み重ね
  • 学習履歴

にも言えるのかもしれません。

母のワンピースが、娘の夏服になった

今日の片付けでは、もう一つ面白いことがありました。

母が若いころに着ていたワンピースが出てきたのです。

以前、譲ってもらっていたのですが、母は身長150cm、私は163cm。
私が着ると丈が短すぎて難しく、「せっかくもらったけど着られないな」と思いながら、長い間タンスの肥やしになっていました。

でも今回、ふと思いついて、小学4年生の娘に着せてみたら、これがちょうどいい。

娘も鏡を見ながら、

「おばあちゃんと一緒なんだ!」

と嬉しそうでした。

なんだかこちらまで楽しくなってしまいました。

しかも、これでまた夏服を一つ買わなくて済む。

娘の洋服代は私が出しているので、

「これでまたテキストが一冊買えるな」

と思ったら、ちょっとラッキーな気分になりました。

でも、ここでも感じたのです。

掃除や整理というのは、単に「捨てる作業」ではない。

むしろ、

今あるものの価値を再発見する作業

なのだと。

しかも今回は、節約だけではなく、

  • 母から娘へつながる服
  • 家族の記憶
  • 「おそろいだね」という会話

まで生まれた。

新しく買うことでは得られない豊かさも、あるのかもしれません。

節約というより、「学ぶ余白」をつくる

最近、「節約」という言葉について考えることがあります。

もちろん、大学院に通いながら働く以上、固定費や支出を見直すことは重要です。

バッグを買わなければ、その分、本代や学費に回せる。

それも事実です。

でも、最近の私は、

「お金を減らさない」

ことよりも、

「思考のノイズを減らす」

ことの方が大事なのではないかと思っています。

モノが多い。
選択肢が多い。
未処理タスクが多い。

そうすると、人は疲れます。

疲れると、勉強に向かう気力がなくなる。

逆に、

  • 部屋が整っている
  • 必要なものがすぐ見つかる
  • 持ち物が把握できている
  • 判断が減る

だけで、かなり楽になる。

すると、「ちょっと論文読もうかな」という気持ちが生まれる。

これは根性論ではなく、環境設計なのだと思います。

学びなおしは、「生活」込みで設計する必要がある

学生時代と違い、社会人の勉強は、勉強だけしていればいいわけではありません。

仕事もある。
家事もある。
育児もある。
人間関係もある。

その中で、税理士試験や大学院を続けるには、

「勉強時間を増やす」

だけでは限界があります。

むしろ必要なのは、

勉強できる状態をつくること

なのだと思います。

そのためには、

  • 掃除
  • 整理整頓
  • 持ち物管理
  • 固定費管理
  • 家事導線

のような、一見勉強と関係なさそうなことが、実はかなり重要になる。

今日、部屋を整理して、バッグを洗い、母のワンピースを娘が着て笑っている姿を見ながら、

「ああ、こういうことなんだな」

と思いました。

掃除をすると勉強時間が増えるのは、

気合いが入るからでも、
運気が上がるからでもなく、

脳の容量が空くから

なのかもしれません。

そして、その余白ができたとき、人はようやく、落ち着いて学ぶことができるのだと思います。